うちの大学の卒業試験事情 その2

一気に書き上げるつもりだったけど長くなったのでその2に続けて書いていく。

 

 

なるべく自分の意見感想だけを根拠にしたものにならないよう客観的な事実を出来るだけ多用するよう努力する。

うちの大学の卒業試験事情 その1 - 医学科6年が卒業試験の後、高卒になったそのあと

 その1と同様、このスタンスは継承したいと思っている。

 

医学科6年生は一体何をしているのか、ご存知でない方が多いだろうからご紹介すると、大学によって時期が前後することがあるが、クリクラという臨床実習がある。

 

うちの大学の場合、5年時は丸々1年ポリクリという臨床実習にあてられる。

 

ポリクリは全診療科を満遍なく全て回る実習を指し一年を費やす。自分は外科は嫌だから、とか眼科にしか興味がないので、みたいな学生ももちろん有無も言わさず全て回る。

結構ここでなんとなく将来進む診療科をイメージする人が多いイメージ。まぁ決める時期は本当に人それぞれなのだが、ポリクリを機になりたいと思っていた診療科に対して一層熱くなるか冷めて違う科を目指したくなるか、結構ポリクリの際の実習内容が重要だったりするみたい。

 

ポリクリを踏まえ、将来より進みたいと思う診療科をポリクリよりも長期にわたり行うのが6年のクリクラ

 

クリクラの方が、決まったことをこなすポリクリと違ってより自主性を重んじられるように感じる、言い方を変えると結構ゆとりのあるものになっている。

 

6年生は自分の大学の大学病院やその関連病院でのクリクラをしながらその合間に卒業後行きたい病院に見学に行ったり卒業試験、国家試験の勉強をする。

 

秋までに臨床実習が終わり、秋にいわゆる就職活動に当たるマッチング、卒業試験、そして2月に国家試験と行った流れである。

 

大学の最終学年は卒論を提出さえすればいいと言った国家試験を必要としない学部に比べると全く心落ち着くことのない最終学年である。

 

その1で書いた通り、卒業試験を厳しくすると宣言した学校の狙い通りだったのかは不明だが厳しくするなら勉強時間を確保しなければ、、と都市部に研修病院の見学や試験を受けにいく予定だったのを移動時間や手間が面倒だと控えて近場の病院に変更したという知り合いも実際いた。

 

うちの大学では勉強部屋というありがたいシステムがある。7、8人くらい入れる個室を1年間貸してくれる本当に受験生にとっては助かる制度で自分も5年生の時仲良くなった人たちのグループに入れてもらって実習のない時は基本そこで勉強する生活を送っていた。

 

その部屋はとても優秀な人たちの集まりで、学年でも片手で数えられる順位にいつも入るような頼もしい人たちに囲まれていた。大体6年生は医師国家試験対策のためにネット予備校の講義を見るのが大方の医学科6年生から必勝法として信じられているのだがその部屋はそんな講義を見なくとも余裕な人がいて、予備校の講義を取っていなかった人が実際複数人いた。

 

みんなとても温かく、当時一つ上の学年から降りてきて友人もほとんどいない自分に対してもとても優しく接してくれて、久しぶりに居場所ができたようなそんな気分になったのを今でも覚えている。

 

大分、卒業試験事情から外れてしまったが、話を戻すと、これまでの卒業試験対策というのは先輩方から代々受け継がれてきた過去問資料を数年遡ってそれをひたすら解く、というのが必勝法である。これは大学1年生の時から変わらない、『試験対策は、過去問』である。

 

ただ、この年、過去問からは出さないと宣言されてしまった、が、まぁ出さない、と宣言してはいるけど嘘かもしれないしとりあえず一応過去問も解いて置こうかなぁくらい

 

6年生にとって卒業試験は正直面倒ごとの1つである。これは優秀な同じ勉強部屋の仲間も言ってたので僕だけでないと思うし、むしろ他大学の人も思っていることだと思うが、大学の先生方が作成するのでその大学色が色濃く出てしまう診療科もあり、国家試験勉強には不必要(と思われる)領域まで踏み込まなければならず1KBでも記憶容量を国家試験のために使いたい6年生にとってはさっさと終わらせて国家試験勉強をしたい、というのが本音である。

 

クリクラ、部活、病院見学、就職試験、面接をこなしているうちにあっという間に秋になった。

 

卒業試験の1ヶ月前、とりあえず卒業試験のためだけに国家試験勉強はストップ、卒業試験の過去問を解いて過ごす。基本寝る時、弁当買いに行く時以外勉強部屋。完全引きこもり生活。

 

完全余談だが、6年生はバイトもなかなかできないし模擬試験は高いし後輩とご飯を食べに行くと最高学年なので後輩の分まで払ったりとお財布事情は結構厳しく、勉強部屋の仲間たちと夕方19時半から半額になる付属病院の売れ残り弁当を狙って買いに行くのが日課だった。

 

そして迎える試験前日。今でも鮮明に覚えている。ちょっと気分を変えようと大学図書館に行くと、クリクラで一緒だった数少ない友人とばったり。久しぶりだねーって軽く立ち話をすると話題はもちろん卒業試験の話。『結構情報出回ってるけど、持ってる?●科はここ出さないらしいよ』

 

え、なに?初耳なんだけど、、、

 

試験の後にわかったのだが当たったのか外れたのか定かでないが、結構前情報が流れていたようで持っている人は持っていた、でも自分の勉強部屋の人たちはそんなものに頼る必要のない人たちばかりである。当然話題にも挙がらなかったので知る由もなかった。

 

情報弱者である自分を痛感し反省したが時すでに遅し。

 

これまでは『卒業試験はあってないようなもの』だったのに卒業試験のせいで国家試験を受けられない、何もない6年生をもう1度やれ、と留年を宣告されてしまう。

 

6年生1度目の冬はこうして過ぎていった。

 

完結しそうにないのでその3に続く